埋没林

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埋没林とは

埋没林写真 埋没林とは、文字どおり“埋もれた林”のことです。埋没林は日本、あるいは世界の各地で発見されています。

林が埋もれる原因には、火山の噴火に伴う火山灰や火砕流、河川の氾濫による土砂の堆積、地すべり、海面上昇などさまざまなものがあります。

埋没した年代もさまざまで、数百年前から数万年前のものまであります。魚津埋没林は、約2,000年前、片貝川の氾濫によって流れ出た土砂がスギの原生林を埋め、その後海面が上昇して現在の海面より下になったと考えられています。

埋没林は、その森林が生育していた場所全体が地下に密閉され、木の株だけでなく種子や花粉、昆虫などが残っているため、過去の環境を推定する大きな手がかりとなります。

特別天然記念物

魚津埋没林は、昭和30(1955)年に特別天然記念物の指定を受けています。

日本の文化財は、

有形文化財 建造物、絵画、彫刻、工芸品、書跡、典跡、古文書、考古資料、歴史資料等
無形文化財 演劇、音楽、工芸技術等
民俗文化財 無形民俗文化財=衣食住、生業、信仰、年中行事等に関する風俗習慣、民俗芸能
有形民俗文化財=無形の民俗文化財に用いられる衣服、器具、家屋等
記念物 史跡=貝塚、古墳、都城跡、旧宅等
名勝=庭園、橋梁、海浜、山岳等
天然記念物=動物、植物、地質鉱物

などに分類されています。

天然記念物は、動物、植物、地質鉱物の中で重要なものが指定され、そのうち特に価値の高いものが特別天然記念物に指定されます。

文化財の中でよく耳にする“重要文化財”略して“重文”は、有形文化財のうち重要なものが指定されます。さらに重文の中でも特に価値の高いものが“国宝”に指定されます。この重文と国宝の関係を天然記念物に置き換えた場合、天然記念物が重文、特別天然記念物は国宝に相当します。

平成30年3月1日現在、国指定天然記念物は全国で1,027件ありますが、そのうち特別天然記念物は75件しかありません。ちなみに国宝は、1,110件あります。

これら文化財の体系は、図1のとおりです。

魚津埋没林は、天然記念物の中の地質鉱物(化石)に分類され、埋もれている樹根そのものはもちろん、それを含む土地6150㎡が特別天然記念物の指定対象となっています。その指定地は魚津埋没林博物館の敷地に含まれています。そのため、館内に展示されているもの以外に、博物館敷地の地下にはまだまだ埋没林が眠っていると考えられます。

特別天然記念物は、魚津市には魚津埋没林のほか、ホタルイカ群遊海面、ニホンカモシカ、ライチョウがあります。また天然記念物では、国指定としてイヌワシ(繁殖は未確認)、柴犬(飼育下のもの)、県指定として大沢の地鎮杉、坪野のつなぎがや、市指定として洞杉及び岩上植物群落があります。ちなみに蜃気楼は、天然記念物の指定は受けていません。魚津埋没林博物館周辺が「蜃気楼展望地点」として市指定の名勝になっています。

文化庁のサイトもチェックしてみよう!

※図1 国が指定する文化財の体系 図1