平成14年蜃気楼詳細記録

平成14年の蜃気楼(総括)
平成14年は、蜃気楼の不作年でした。（入梅までに7回） 3月26日に第1号が発生し、順調な滑り出しに思われましたが、その後の天候不順などにより回数は伸びませんでした。 特に、5月は1回しか発生がなく、過去最低でした。 このように全体の回数が少ない一方、4月22日、6月3日の2度、日没後まで蜃気楼の発生が続くことが確認され、「夜の蜃気楼」として話題になりました。
2月	-
3月	1回（26日 C）
4月	3回（15日 C-・22日 C/B・29日 C）
5月	1回（3日 D）
6月	2回（3日 E/C・10日 C）
7月	-
8月	-
9月	-
10月	-
11月	-
合計	7回

平成14年蜃気楼出現1回目

日付	平成14年3月26日
発生確認時刻	13:00
観測終了時刻	17:00
出現方向	黒部市生地～富山市水橋
蜃気楼の状態	建物等の伸び、海面の伸び上がり 定置網のブイや小型船舶の反転、伸び
ランク判定	C
気温	16℃
風向風速	NNE　3.0m/s
天候･視界状況	晴、視界良～やや不良
備考	13:00　魚津蜃気楼研究会澤崎氏より通報 (それ以前から発生していたと思われる) ミラージュインフォメールを配信

平成14年蜃気楼出現2回目

日付	平成14年4月15日
発生確認時刻	11:30
観測終了時刻	13:00以後
出現方向	黒部市生地、新湊市～富山市水橋
蜃気楼の状態	建物、堤防、船舶等の伸び、海面の伸び上がり
ランク判定	C-
気温	25℃
風向風速	NNE　2.5m/s
天候･視界状況	晴、不良～やや不良
備考	11:30頃　魚津蜃気楼研究会澤崎氏より通報 午前中は新湊～富山市方向のみで視界悪く双眼鏡でも確認しづらい。 12:30ごろから生地が変化し始め、一時は肉眼でも判別できたが、長続きせず。 ミラージュインフォメールを配信

平成14年蜃気楼出現3回目

日付	平成14年4月22日
発生確認時刻	10:15頃
観測終了時刻	19:30以後
出現方向	黒部市生地、新湊市～富山市水橋
蜃気楼の状態	建物等の伸び
ランク判定	C～午後遅くB
気温	20℃
風向風速	N　1.5m/s
天候･視界状況	晴、不良～夕方に良
備考	10:15頃　魚津蜃気楼研究会吉田氏より通報 午前中は新湊～富山市方向の視界悪く、黒部市生地だけ小規模に変化。 15:00ごろから生地、水橋～新湊方面が変化し、一時は肉眼でも判別できた。 15:30ごろミラージュインフォメールを配信。 その後一旦おさまったかに見えたが、17:00前後から肉眼でもわかる状態になり、日没後まで続く。

平成14年蜃気楼出現4回目

日付	平成14年4月29日
発生確認時刻	14:00頃
観測終了時刻	18:30頃後
出現方向	新湊市～滑川市
蜃気楼の状態	建物等の伸び
ランク判定	E～夕方にC
気温	18℃
風向風速	N　1.8m/s
天候･視界状況	晴、やや不良
備考	14:00頃　発電所煙突上部、富山市呉羽丘陵など、高い位置の変形（双眼鏡でも微妙) 17:00ごろから滑川～新湊方面がバーコード状に変化し、一時は肉眼でも判別可能。 肉眼レベルに変化した時間が遅く、ミラージュインフォメールは配信できず。

平成14年蜃気楼出現5回目

日付	平成14年5月3日
発生確認時刻	9:20頃
観測終了時刻	15:00頃
出現方向	黒部市生地、富山市岩瀬～水橋
蜃気楼の状態	建物等の伸び
ランク判定	D
気温	26℃
風向風速	NNE　4.0m/s
天候･視界状況	晴、不良
備考	9:15頃　魚津蜃気楼研究会吉田氏より通報 黒部市生地、富山市岩瀬など小規模に変化するが短時間で消える。 13:20頃　再度出現、富山市岩瀬方面が少しバーコード状に変形。黒部市生地も変化あり。 やや視界悪く、肉眼では判別難しい。 13:30ミラージュインフォメールを配信。

平成14年蜃気楼出現6回目

日付	平成14年6月3日
発生確認時刻	14:45頃
観測終了時刻	20:00頃
出現方向	新湊市～滑川市
蜃気楼の状態	山、建物等の伸び
ランク判定	E～日没後にC
気温	24℃
風向風速	N　1.5m/ss
天候･視界状況	晴、良
備考	14:45頃　新湊市方向の背景の山、氷見市の丘陵など、高い位置の変形（双眼鏡でも微妙) 日没後に富山市などの明かり等が伸び上がる。 肉眼レベルに変化した時間が遅く、ミラージュインフォメールの配信できず。 日没後の観測は、魚津蜃気楼研究会澤崎氏による。

平成14年蜃気楼出現7回目

日付	平成14年6月10日
発生確認時刻	15:30頃
観測終了時刻	16:30頃
出現方向	黒部市生地～氷見市
蜃気楼の状態	山の伸び･反転、船舶の伸び･反転、2重水平線
ランク判定	C
気温	30℃
風向風速	N　1.0m/s
天候･視界状況	晴、良
備考	16:00頃　市民より通報 氷見～能登半島の伸び（薄く、双眼鏡で確認)一時的に大型船の反転像。 持続時間短く、ミラージュインフォメールの配信できず。

表の見方

• 蜃気楼のランク付けは、つぎのような目安によって行なっています。（ランクはあくまで博物館の観測記録上の目安です。平成8年以降のみ）

A	予備知識がない人や、双眼鏡などを持たない人でも、満足できる。（肉眼ではっきり識別でき、長時間（約2時間以上）にわたり複数の方向に現れる鮮明なすばらしい蜃気楼。）
B	予備知識がない人や、双眼鏡などを持たない人でも、大半の人にわかる。（肉眼でよく識別できるが、継続時間や方向、鮮明さなど何かの要素が欠ける。）
C	予備知識がない人や、双眼鏡などを持たない人の、半数ぐらいにはわかる。（「肉眼で識別できるが短時間」「長時間だが双眼鏡がないとわからない」「方向が限定的」など。）
D	予備知識がない人や、双眼鏡などを持たない人は、大半の人がわからない。（「双眼鏡で識別できるが短時間」など。）
E	十分な予備知識をもって双眼鏡などを使用しないと観察が困難。（双眼鏡でも識別に経験を要する。）

• 記録しているのは、春型の蜃気楼（上位蜃気楼）のみです。
• 観測者によって蜃気楼の判定に差があるため、他のホームページ等で発表されているものとは数値が異なる場合があります。